はじめに:車中泊ブームと子育て世帯の関心
ここ数年、「車中泊」が旅行スタイルとして再注目されています。特にコロナ禍以降、密を避けて家族だけで移動・宿泊できる手段として、若い子育て世帯を中心に人気が高まっています。
「ホテルに泊まると高いし、子どもが騒いで迷惑をかけないか心配」「自分たちのペースで自由に旅したい」「自然の中でのびのび過ごさせたい」――そんな理由から、車中泊を試す家庭が増えています。
しかし、実際にやってみると「思っていたより快適!」「でも正直、大変な面も…」とリアルな声が聞こえてくるのも事実です。
本記事では、子育て世帯が実際に車中泊を実践してわかったメリット・デメリット・工夫・そして家族の変化について、体験談を交えながら詳しく紹介します。
第1章:実際に車中泊を試してわかった「メリット」
子育て世帯が車中泊を選ぶ理由には、費用の節約や自由な移動といった利点がありますが、実際にやってみて感じるメリットはそれだけにとどまりません。
✅ 旅費の節約が圧倒的
家族4人で一泊ホテルに泊まれば1万円〜2万円は軽くかかるところ、車中泊なら宿泊費をほぼゼロに抑えることができます。その分、食事やレジャーに予算を回せるのは大きなメリットです。
✅ スケジュールが自由自在
子どもの体調や機嫌に合わせて、旅の予定を柔軟に変更できるのも車中泊の魅力。急なお昼寝やトイレ休憩、ちょっと寄り道…そんなことも自由自在に。
✅ 自然とふれあえる教育的な時間
道の駅やキャンプ場に泊まれば、自然とふれあう機会も豊富。虫取り、星空観察、朝の散歩など、日常ではなかなか体験できないことが、旅の中で自然に楽しめます。
✅ 家族の距離が近づく
狭い車内で一緒に過ごすことで、家族の会話が増え、普段見逃していた子どもの成長にも気づけます。何より「一緒に旅を作っている」という実感が強く、絆が深まります。
第2章:現実は甘くない?子育て世帯ならではの「デメリット」
一方で、実際に車中泊をやってみると「思っていたより大変…」と感じる瞬間も多々あります。特に子育て家庭ならではの苦労も少なくありません。
❌ 狭くて寝にくい、夜泣きもしやすい
我が家が最初に使ったのは「バンコン(バンタイプのキャンピングカー)」。トイレがなく、スペースも狭かったため、ちょっとした音や動きで子どもが目を覚まし、寝かしつけに苦労しました。
❌ トイレ問題は思った以上に深刻
子育て家庭にとって、トイレの問題は非常に現実的かつ重要です。我が家の6歳の娘は、よく「今すぐトイレに行きたい!」と言い出すタイプで、タイミングを逃すと間に合わないこともしばしばあります。
バンコン時代は車内にトイレがなかったため、道の駅やサービスエリアを探して慌てて移動することが何度もあり、夜間や雨の日などは本当に大変でした。
しかし、キャブコンに乗り換えて車内にトイレがある環境になったことで、こうしたストレスが一気に解消されました。子どもが急に「トイレ!」と言っても落ち着いて対応できるようになり、親の負担も精神的にぐっと軽くなりました。
子連れの車中泊において、トイレの有無は快適さを左右する大きな要素であると痛感しています。ました。
✅→キャブコンに乗り換えて改善!
そこで我が家は思い切って「キャブコン(トラックベースのキャンピングカー)」に乗り換えました。トイレ・常設ベッド・常設テーブルという充実の設備で、これらの悩みが一気に解消!
子どもが安心して寝られる環境が整い、夜泣きも減り、親のストレスも大きく減少しました。
❌ 季節によっては泊まれる場所が限られる
また、気候の影響も大きく、真夏や真冬の車中泊は特に注意が必要です。
我が家がバンコンを使っていたとき、冬はFFヒーター(エンジン停止中でも暖房できる装置)があったので快適に過ごせましたが、夏場は冷房設備がなかったために、気温の高い平地ではとても過ごせませんでした。
そのため、宿泊先は標高の高い山の上のキャンプ場や道の駅に限定されてしまい、行きたい場所があっても気温を基準に場所選びをせざるを得ないという状況でした。とくに小さな子どもは体温調節が苦手なので、気温や天候を事前に把握し、快適な気候の地域を選ぶことが重要です。
第3章:どう工夫すれば快適に?実践者のリアルなアイデア集
車中泊の快適度は、「どんな車に乗るか」だけでなく、「どんな工夫をするか」で大きく変わります。ここでは、我が家や他のご家庭が実践しているリアルな工夫をご紹介します。
✅ 快眠グッズで眠りの質を確保
- 厚手のマットレスやエアマットを活用してフラットな寝床に
- 遮光性の高い断熱カーテンで朝日&外の目線をシャットアウト
- 銀マットを窓に貼って防寒・防暑対策
✅ 宿泊場所選びが快適さのカギ
- RVパークやオートキャンプ場を積極的に活用(電源・清潔なトイレ付き)
- サービスエリアや道の駅でも、事前に評判や設備をチェック
✅ 子どもが退屈しない仕掛けを用意
- タブレットにお気に入り動画をダウンロード
- 絵本・折り紙・シールなど、車内でも遊べるアナログおもちゃ
- 道中拾った自然素材で工作遊びなども楽しい!
✅ 子どもが関われる旅に
- 寝袋の準備やご飯の片付けなど、小さな役割を任せる
- 「今日はどこへ行こうか?」など、プラン作りに参加させる
✅ キャブコンなら常設でさらに快適!
キャブコンでは、ベッドもテーブルも常設されているため、就寝時や食事時に都度展開する必要がありません。そのため、昼間は広くスペースをとって、子どもが自由に遊べる空間がすぐに作れるのも大きな魅力です。
第4章:実際にやってみて感じた「家族の変化」
車中泊を繰り返していくうちに、我が家の中にも小さな変化がいくつも生まれました。
✅ 家族の時間が濃くなった
狭い空間に一緒にいることで、自然と会話や笑いが増えました。普段は見逃しがちな子どもの小さな発言や行動にも気づけるようになり、親としての向き合い方にも変化が。
✅ 子どもの成長を感じる機会が増えた
旅先で「自分で布団敷く!」「今日はこの道の駅に行こうよ!」と積極的に行動する姿は、日常ではあまり見られない成長の証。
✅ キャブコンでの旅が「日常」になった
常設のベッドやテーブルがあることで、まるで移動するもう一つの「家」。遊び・食事・睡眠のリズムが整いやすく、子どもにとっても居心地の良い空間になりました。
おわりに:子育て世帯にとっての「車中泊」とは何か
車中泊は、子育て世帯にとって「ただの旅行手段」ではなく、家族のあり方を見つめ直すきっかけにもなります。
もちろん、最初から完璧にはいきません。車の選び方や装備、ルート選びに失敗することもあるでしょう。それでも、試行錯誤を楽しめる心の余裕があれば、車中泊はきっと家族のかけがえのない思い出になってくれるはずです。
「またキャブコンで旅したいね」
子どもがそう言ってくれる旅ができたこと。それが何より、車中泊という旅のかたちの魅力を物語っているのではないでしょうか。
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